減殺請求されないために

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遺言で遺贈する旨を明記すれば、相続人でない者に対しても財産を残すことができます。残された家族が経済的に自立している場合には、それほど問題ないケースもありますが、被相続人の財産に依存していた子供や配偶者にとっては、生活に困り路頭に迷ってしまうことが予想されます。

そこで、相続人には必ず受取ることのできる最低限度の相続財産を得る権利が法律によって与えられているのです。その遺留分を請求されないためには、以下の方法が考えられます。 
 

(1)相続人に事前に遺留分を放棄してもらうこと

生前にですが、相続人が、自ら裁判所に遺留分放棄の許可を求めてくれれば(民法1043条)、遺留分を放棄することが可能ですから、遺留分を請求される恐れはありません。なお、相続放棄は、被相続人が存命中に、相続人が行うことは出来ません。

(2)相続放棄をしてもらうこと

生前に遺留分の放棄をし忘れていたとしても、相続人に相続放棄をしてもらえれば、やはり、遺留分の請求をされることはありません(民法915条)。なお、相続放棄をするためには、原則、相続開始時から3ヶ月以内に、家庭裁判所に申請を行う必要があります。

(3)相続人を廃除すること

相続人が、被相続人に対して、虐待若しくは重大な侮辱を加えたとき、その他、著しい非行があったときは、裁判所に対して、廃除を請求することにより、その相続人の遺留分請求権を失わせることが出来ます(民法892条)。

なお、被相続人死亡後に、廃除を行う場合は、遺言書で行わなければなりませんので、注意が必要です(民法893条)。ちなみに、ある相続人が廃除されても、その相続人に、子供がいる場合、代襲相続が発生しますので、代襲相続人は、遺留分を主張することが出来ます。

(4)遺言書において、最初から遺留分を織り込んだ相続分の指定をすること

自分の死後、受遺者と相続人との間の紛争を防ぐためには、遺言書を作成する際に、相続人の遺留分を侵害しない範囲で相続分を指定することが重要です。遺留分を巡る争いになるということは、請求している相手は少なくとも相続された財産の分配に不満を持っているということになります。

そのように関係が悪化してしまう事態は親しい関係であればある程、避けたい事態です。具体的には、「私の遺産については、妻に1/2を、子どもに3/8を、前妻との子には1/8を相続させる」などのように遺言をすることです。

(5)事実上の方法ですが、遺言書に「遺留分の主張などはしないでほしい」と遺言の中に書く

このように書くことで、「それが被相続人本人の強い意志であれば、仕方ない」と思われるなど、精神的に効果を与えることができるケースがあります。

しかし、この方法の欠点は、遺言書に「遺留分の主張などはしないでほしい」と書いたとしても、それは何ら法的効力を有するものではないということです。したがって、遺言書にこう書いてあったとしても、相続人はその遺言に拘束されず、遺留分減殺請求ができるのです。

結局のところ、自らの死後の紛争を回避するためには、遺言を作成するに際し遺留分を十分に考慮することが最善策であるといえます。親族間の争いを生むような遺言を作成することは、絶対に避けるべきです。

 

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